今回から「宗教・哲学」について、4週連載で経営者の視点からお話ししたいと思います。
1. なぜ必要なのか
「宗教・哲学」について難しく感じる方も多いでしょう。
現場第一線で泥臭く働いてきた私も同様でした。
ただ、経営には多くの要素があります。
数字と戦略だけで片付くものでもありません。
もちろん数字は大切です。
売上、利益、コスト、キャッシュフロー、投資、全て現実です。
ただ最終判断を下す場面では、往々にして数字以外の要素が働くものです。
・目先の利益を取るのか、長い信頼を取るのか
・社員を切って楽になる、苦しくても守るのか
こうしたタフな場面において、最後に背中を押すのが社長の人生観かもしれません。
自分はどう生きたいのか、何を恥と感じ、何を誇りに思うのか。
根本がぶれていると、判断もぶれるものです。
心即理(しんそくり) 、即ち心の中に道理があると陽明学は示しています。
私は考えます。
答えを外に探すのではなく、自らの理(ことわり)を掘り下げるべきではないか。
経営はまさに人生の延長です。
一見遠くに感じる生死や宇宙の話、即ち宗教や哲学は、実は一番近いのかもしれません。
とりわけ「死んだあとも残る経営」を考えるなら、避けて通れないでしょう。
2. 輪廻転生
輪廻転生の有無を科学的に証明することはできないでしょう。
ただ私は、あると思ったほうが楽に生きられると考えます。
死は必然であり、誰しも逃れられませんから怖く感じます。
なるべく考えたくないと思うのもよく分かります。
死んだら全て終わりと考えるのか、次があると考えるのでは心のありようが変わります。
恐怖をゼロには出来ませんが、減らす工夫はすべきでしょう。
そして、もう一つ。
私は後悔したくないのです。
死の間際で、あれをやっていればよかったと考えたくないのです。
やらない後悔は、後からジワジワ効いてきます。
一方で、殆どの失敗はやり直しがききます。
それゆえ私は、やらずの後悔より、やって失敗することを選びます。
云い換えるなら、腹の決め方がその人の死生観に直結するのかもしれません。